PHP運動の創設者である松下幸之助は、このPHP友の会について、次のように述べています。

素直な心になろう


 素直な心と言いますと、とかく何に対しても従順といった消極的な意味に解釈される場合が多いようです。しかし、私どもが提唱する素直な心とは、「なにものにもとらわれることのない心」「私心なくくもりのない心」つまり、物事をありのままに正しく見ることのできる心のことです。

 ですから、私たちが素直な心になれば、物事のありのままの姿、実相が見えてきます。したがってある事柄が正しいかどうか、こういうことをするのが適切かどうかといった判断が、私利私欲にとらわれることなく適時適切に下せるようになってきます。そこからはなすべきことをなす勇気や他人の意見に耳を傾ける謙虚な態度、相手の立場を考える思いやりや寛容といった豊かな心が、おのずと生まれてくるでしょう。そのように、素直な心とは、人を強く正しく聡明にするものだと思うのです。

みんなが幸せになるために


 お互いが素直な心になれば、みんなが幸せになります。そして、素直な心になるということは、一人ひとりの心の問題とも言えます。しかし、この世の中は多くの人々によって成り立っていますから、一人だけが素直な心になっても周囲の人々が素直でなければ、世の中全体がそちらの方向へ流されてしまいます。やはり、多くの人々がともに素直な心になってこそ、お互いの幸せも高まり、より好ましい世の中を築くことができるのではないでしょうか。そこで私どもは、PHP友の会運動を提唱し、素直な心を積極的に訴えていきたいと願っているのです。

 ですから、PHP友の会は、その形や活動はさまざまですが、とにかくお互いが素直な心になろう、幸せになろうという思いをもった人たちの集まりです。そうしたPHP友の会に一人でも多くの方にご参加いただき、ともに素直な心を高めるように努めていきたいと念じています。

(インタビュー「PHP友の会運動とは」より)