[ 幻の天才歌人・左川ちか。彼女に愛憎を抱いた伊藤整。二人の軌跡を追う歴史長編! ]
海を詠う
内容のサマリー
昭和初期、「女であること」とその孤独に向き合い、乗り越えようとした詩人がいた。十代で翻訳と詩作を始め、モダニズム詩壇で活躍するも、24歳で病死した左川ちか。現代詩の礎を築き、萩原朔太郎らと肩を並べるような詩界の一角を築いただろうと惜しまれた彼女は、「極北の歌人」「幻の天才」と呼ばれた――。ちかの短く、鮮やかな生涯と、彼女の才能に憧れ、嫉妬し、愛憎を抱いていた伊藤整を巡る、圧巻の歴史ロマン。
著者:岩井圭也
1987年生まれ。大阪府出身。2018年、「永遠についての証明」で第9回野性時代フロンティア文学賞を受賞しデビュー。2023年、『最後の鑑定人』で第76回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門候補、『完全なる白銀』で第36回山本周五郎賞候補。2024年、『楽園の犬』で第77回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門候補、『われは熊楠』が第171回直木三十五賞候補となる。