Voice
発売日
2025年2月6日
税込価格
880円
(本体価格800円)
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Voice 2025年3月号

今月号の読みどころ

かつては戦後復興や高度経済成長期を主導し、海外からも注目される存在であった日本の官僚。しかし今日では、民間の活力を制約する妨害者などとして語られることも少なくありません。2007年の「消えた年金」問題をはじめとする数々の不祥事、政治改革や民主党政権下での「脱官僚」などを経て、昨今では「財務省支配論」なども聞こえてきます。その働き方は一部からは「ブラック」という表現も用いられ、学生の「霞が関離れ」が指摘され始めてから久しいですが、日本の未来を考えるうえでは、官僚が活力を失ったままでは限界があり、複雑な時代をマネジメントすることはできません。官僚のあり方と若手官僚に送る言葉を語る前財務官でアジア開発銀行次期総裁の神田眞人氏や、国家公務員の「働き方」の現在地を話す川本裕子人事院総裁へのインタビュー、また官僚バッシングの背景にある時代の変化を説く片山杜秀氏の論考などを通じて、わが国において官僚が果たすべき役割と課題を見つめ直します。特集2は「国家混乱の行方」。韓国、ドイツ、フランス、インド、アルゼンチンなど内政が混迷を極めている国々の実情を分析します。そのほか、トランプ2.0時代の国際情勢や米中対立を見通すイアン・ブレマー氏の巻頭インタビューや、4月に開幕を控える大阪万博について語る吉村洋文大阪府知事への特別インタビューなどを掲載しています。
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今月号の目次

特集1:官僚の正体
若き官僚たちに告ぐ「希望の言葉」
神田眞人
40p
霞が関の新生は政官関係の再構築から
待鳥聡史
52p
「財務省支配論」の虚実を考える
上川 龍之進
60p
国家公務員「働き方」の現在地
川本裕子
68p
「プロ官僚」といかにしてマッチングするか
嶋田博子
74p
女性官僚として働くあなたへ
坂東 眞理子
82p
近代から見る「官の未来」とは
清水 唯一朗
90p
成長モデルなき時代の「犯人捜し」
片山杜秀
98p
特集2:国家混乱の行方
制度疲労に直面する韓国の民主政治
木村 幹
122p
混迷するドイツと連邦議会選挙
森井裕一
130p
移民問題から考えるフランスの分断
和田 萌
138p
インド与党は「敗北」したのか?
三輪博樹
146p
「アルゼンチンのトランプ」の政治手腕
菊池啓一
154p
巻頭インタビュー
トランプはGゼロ世界の最大の受益者
イアン・ブレマー
18p
新連載
【闘う首長】〈1〉
万博開催で「世界に突き抜けた大阪」へ
吉村洋文
184p
連載  ほか
特別寄稿
中東の「勝者」と「敗者」は誰か
山内昌之
108p
米国政治を支える「保守のインフラ」
久保文明&清原聖子&宮田智之
162p
経営とは皆が幸せになる「生き方」
糸井重里&岩尾俊兵
200p
考察したい若者たち〈5〉
仕事はやりがいから成長へ
三宅香帆
192p
【新時代ビジョン研究会】
「対話」をまちづくりの礎に――福岡県大刀洗町
前田隆夫
220p
日産・ホンダ「経営統合」の誤解
池田直渡
212p
ロシアへの経済制裁はなぜ失敗したか
ダヴィド・トゥルトリ
229p
著者に聞く
「右派雑誌」にいたから伝えたいこと
梶原麻衣子
236p
ニッポン新潮流〈現代社会〉
試練を迎えた既存システム
西田亮介
28p
ニッポン新潮流〈教育企業〉
社長年頭挨拶に抱く一抹の不安
勅使川原 真衣
30p
ニッポン新潮流〈都市文化〉
神戸から考える一九九五年以後
藤村龍至
32p
ニッポン新潮流〈現代思想〉
収納/片づけから見える「暮らしの思想」
谷川嘉浩
34p
地域から日本を動かす〈35〉
DXは地方の武器
結城豊弘
36p
歴史家の書棚〈56〉
河野康子編『戦後政治学の展開 村松岐夫オーラルヒストリー』
奈良岡 聰智
240p
巻頭言〈12〉
ソウルの春
冨田浩司
15p
文明之虚説〈87〉
西郷隆盛の「王道」と「覇道」
渡辺利夫
246p
戦跡が語る「先の大戦」〈2〉
ニューギニア島
写真・文/安島 太佳由
1p
里山―未来へつなげたい日本の風景〈15〉
スプリング・エフェメラル
写真・文/今森光彦
6p
令和の撫子〈70〉
森本萌乃
撮影/吉田和本
9p
Voiceブックス
編集者の読書日記

242p
Voiceシネマ
編集者の映画三昧

243p
Voiceレター
読者の感想&意見

244p

Voice とは

 月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。