Voice
発売日
2024年8月6日
税込価格
880円
(本体価格800円)
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Voice 2024年9月号

今月号の読みどころ

1945年8月15日から、今年で79年目を迎えます。日本は戦後、国際社会のなかで一貫して平和国家として歩み、また一時は世界2位になるほどの経済発展を遂げてきました。わが国は国土が焦土と化したあの夏から強かに起ち上がってきました一方、依然として積み残されている課題が多いのも事実です。安全保障体制は未だに決して十分とは言えず、自民党は憲法改正の問題を棚上げし続けています。隣国とのあいだには歴史認識問題が存在しており、米国とのあいだには日米地位協定の問題が取り除かれていません。これらの問題を放置したまま、次代の国のかたちを考えることはできないはずです。来年の戦後80年を前に考えるべき「宿題」について、多角的に議論します。
特集2は「誰が『氷河期世代』を救うのか」。就職氷河期世代が抱える「問題の本質」とその責任の主体を浮き彫りにします。そのほか、ジャック・アタリ氏が混迷の米国政治を見通す巻頭インタビューや、地方創生について議論する石破 茂議員と中野祐介浜松市長の対談などを掲載しています。
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今月号の目次

特集1:戦後79年目の宿題
「終戦の日」に私たちが問うべきもの
佐伯啓思
38p
未だ「四合目」の日本の安全保障
兼原信克
50p
憲法改正から逃避する自民党
井上達夫
58p
自主敗れて「日米地位協定の闇」深し
山本章子
68p
歴史認識問題の先に「和解」はあるか
波多野 澄雄
76p
戦後日本の公共性と自衛隊のジレンマ
辻田 真佐憲
86p
占領期ラジオ放送と「民主化」の真実
太田 奈名子
94p
「不完全だが不可欠」な国連のいま
長 有紀枝
102p
特集2:誰が「氷河期世代」を救うのか
困難なキャリアの実態と支援策
堀 有喜衣
130p
「不景気だから採用しない」は合理的か
服部泰宏
138p
就職氷河期世代の新たな受難
溝上憲文
146p
世代間交流で課題を乗り越える
福澤涼子
154p
巻頭インタビュー
孤立主義に留まらないトランプ・リスク
ジャック・アタリ
16p
連載 ほか
男女の賃金格差は変えていける
矢田稚子
110p
「ドーナツ経済」へのシフトは進むのか
ケイト・レイワース
120p
地方創生10年、積み残された課題
石破 茂&中野祐介
162p
「切実な他者」としての家族
宇佐見 りん
208p
「中国嫌い」のための中国史〈11〉
李白と漢詩
安田峰俊
182p
日本史は「敗者」に学べ〈8〉
山本五十六〈前編〉
呉座勇一
190p
〈宗教と現代世界研究会〉
インド総選挙とヒンドゥー至上主義の行方
中溝和弥
216p
動物たちから見た「死の世界」
豊田 有
200p
NIMBYと社会的施設のジレンマ
土屋 雄一郎
226p
著者に聞く
料理の「おいしがり方」を伝える
三浦哲哉
234p
ニッポン新潮流〈現代社会〉
結局は旧態依然だった都知事選
西田亮介
26p
ニッポン新潮流〈教育企業〉
配属ガチャと配属確約?
勅使川原 真衣
28p
ニッポン新潮流〈都市文化〉
選挙と二つの空間
藤村龍至
30p
ニッポン新潮流〈現代思想〉
「君のヴォイスは何だ」という問い
谷川嘉浩
32p
地域から日本を動かす〈29〉
戦国武将を現代に甦らせる
結城豊弘
34p
歴史家の書棚〈50〉
尾原宏之『「反・東大」の思想史』
奈良岡 聰智
238p
巻頭言〈7〉
「靴入りデザート事件」顛末
冨田浩司
13p
文明之虚説〈81〉
「天朝」としての中国共産党
渡辺利夫
244p
邂逅する中世と現代〈11〉
悪魔の半面
作・文/野口哲哉
1p
里山―未来へつなげたい日本の風景〈9〉
生き物たちのご馳走
写真・文/今森光彦
6p
令和の撫子〈64〉
齊藤なぎさ 
撮影/吉田和本
9p
Voiceブックス
編集者の読書日記

240p
Voiceシネマ
編集者の映画三昧

241p
Voiceレター
読者の感想&意見

242p

Voice とは

 月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。