雑誌
Voice 2024年8月号
今月号の読みどころ
先進民主主義国のなかで例外的に安定していた日本政治が、急速に求心力を失っています。岸田政権は、防衛費の増額や原発再稼働など大きな決断を行なってきましたが、増減税をめぐる姿勢や裏金問題への対応で政権基盤は揺らぎ、派閥の解散が自民党のガバナンスをどう変えるかも不透明です。平成初期とは異なり、自民党の中堅若手からは政治再建への熱意と行動がみられず、野党は四分五裂状態。現在は、混迷のなかで奇妙に「ゆるい政治」が進行していると言えるでしょう。日本政治が混迷を止め、国際秩序を支え、日本社会の未来を拓く推進力となるうえで何が必要なのか、本特集では、岸田文雄首相、立憲民主党の泉健太代表、日本維新の会の馬場伸幸代表、そして高市早苗経済安全保障相など与野党の政治家にビジョンと覚悟を問います。そのうえで、識者による日本政治への建設的な問題提起、また経済界からは日本IBMの山口明夫社長のインタビューを掲載し、転換期の世界における日本政治のあり方を考えます。
特集2は「変わりゆくスポーツの意義」。パリ五輪・パラリンピックを前に、スポーツと社会の関係性の変化などを議論します。また、巻頭には世界でもっとも成功している企業の一つである任天堂の古川俊太郎社長の独占インタビューを掲載しています。
特集2は「変わりゆくスポーツの意義」。パリ五輪・パラリンピックを前に、スポーツと社会の関係性の変化などを議論します。また、巻頭には世界でもっとも成功している企業の一つである任天堂の古川俊太郎社長の独占インタビューを掲載しています。
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今月号の目次
特集1:日本政治の覚悟を問う
政権1000日の成果と残された課題 |
岸田文雄 |
40p |
政権交代を100%目指している |
泉 健太 |
50p |
追及型の野党第一党は国益を生まない |
馬場伸幸 |
60p |
「危機の時代」の宰相に求められる資質 |
中西 寛 |
70p |
「開かれた政治」を次世代に残す |
牧島かれん&伊藤孝恵&森澤恭子 |
80p |
政治の力に期待する「安定」と「実行」 |
山口明夫 |
90p |
安定政権を生み出す官邸とは |
牧原 出 |
100p |
「主権者の代表」たる政治家の使命 |
高市早苗 |
108p |
特集2:変わりゆくスポーツの意義
B.LEAGUEが魅せる新時代のスポーツ |
島田慎二 |
134p |
パラリンピックを巡るパラドックス |
小倉和夫 |
142p |
プロ化時代の実業団選手のキャリア |
中村英仁 |
150p |
日本のアスリートにこそ「学問」を |
小野雄大 |
158p |
巻頭インタビュー
任天堂が提供する「最大の価値」 |
古川俊太郎 |
18p |
連載ほか
東京都知事選は「究極の選択」なのか |
安田洋祐&西田亮介 |
120p |
「バブルの失敗」から企業変革を考える |
恩田 饒&宇田川元一 |
166p |
欧州議会選挙「極右」定着の背景 |
渡邊啓貴 |
194p |
「ヤングケアラー支援」の現状と課題 |
斎藤真緒 |
204p |
日本史は「敗者」に学べ〈7〉 石田三成〈後編〉 |
呉座勇一 |
184p |
なぜ人は「正しい物語」では満足できないのか |
近内悠太 |
212p |
台湾に対する日米の温度差 |
佐々木れな |
220p |
『潜水艦コマンダンテ』と戦争映画の新潮流 |
瀬戸川宗太 |
228p |
著者に聞く マネージャーに「救い」はあるか |
小林祐児 |
234p |
ニッポン新潮流〈現代社会〉 報じられないSNS上の議論 |
西田亮介 |
28p |
ニッポン新潮流〈教育企業〉 少子化対策にメリットを? |
勅使川原真衣 |
30p |
ニッポン新潮流〈都市文化〉 コミュニティの四層構造 |
藤村龍至 |
32p |
ニッポン新潮流〈現代思想〉 哲学とビジネスの接点 |
谷川嘉浩 |
34p |
地域から日本を動かす〈28〉 地方よ、消滅可能性に抵抗せよ |
結城豊弘 |
36p |
書店員から見た世界 誰もが通いたいと思える場所に |
宮台由美子 |
238p |
歴史家の書棚〈49〉 サビーネ・フリューシュトゥック『「戦争ごっこ」の近現代史』 |
奈良岡聰智 |
240p |
巻頭言〈6〉 評決の行方 |
冨田浩司 |
15p |
文明之虚説〈80〉 イデオロギー国家としての中国 |
渡辺利夫 |
246p |
邂逅する中世と現代〈10〉 頼れる女性 |
作・文/野口哲哉 |
1p |
里山―未来へつなげたい日本の風景〈8〉 異国の風景 |
写真・文/今森光彦 |
8p |
令和の撫子〈63〉 松本信歩 |
撮影/吉田和本 |
11p |
Voiceブックス 編集者の読書日記 |
242p |
|
Voiceシネマ 編集者の映画三昧 |
243p |
|
Voiceレター 読者の感想&意見 |
244p |
Voice とは
月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。