月刊「PHP」2025年3月号 裏表紙の言葉
世の中、誰もが運のよさを求める。神や仏に頼ったり、パワースポットを訪れたりしたくなるのも頷ける。
運はあまねく誰にも巡ってくると思えるけれど、運のよし悪しの受け取り方は人によって随分違うし、実際、運のよい人悪い人は確かにある。
いったい運はどうすればつかめるのだろう。
確たる答えはないにせよ、運を大きく左右するのは縁ではないだろうか。縁が重なるから、ご利益をいただく確率も上がる。縁あればこそ運は引き寄せられてくる。
ではその縁を増やすにはどうすればよいのだろう。確かに世の中にはたくさんの縁に恵まれた人がいる。
これも要因は数あれど、縁を深めるのは恩ではないだろうか。人生万事がご縁のおかげと、縁に恩義を感じる人がいる。自分を誇るのではなく、他人の助けだと譲るその謙虚さが縁を深めているのではないか。
つまるところ、恩を感じる心がけで縁が深まり、縁が縁を呼んで、運が巡る。出逢いと別れ、旅立ちと帰郷、人生が交錯する春、人びとの運と縁と恩が未来を変える。