PHP研究所主催 2023年度文部科学省後援
第7回PHP作文甲子園 優秀賞受賞作
瀬戸口聖菜
鹿児島県 池田中学校1年
「399、400!!」と声をそろえて叫んだ。私の心臓は最高潮に高鳴った。8の字跳びの学校記録を更新したからだ。しかし、まだ安心はできない。少しでも多く跳んで、記録を伸ばしたい。私は、腕の痛みをこらえながら、無我夢中で縄を回し続けた。
409と言おうとしたそのとき、
「ピーッ」
3分間終了の合図が体育館に鳴り響いた。その合図とともに、大歓声が体育館中に響き渡わたり、クラスのみんなで両腕を挙げながら飛び跳ね、喜び合った。
練習を始めたころは、270回程度しか跳べなかった。それからほぼ毎日、朝礼前や昼休みなど空いている時間を利用して、練習に励んだ。もともと1分間に100回くらいは跳べていたが、130回跳べるようになり、練習を重ねるうちに連続で300回以上跳べるようになった。
それなのに、8の字跳び連続回数の挑戦ができる県の応募締切まで残り1週間をきったころ、3分間計って跳んでみても思いどおりの記録が出ず、苦しんでいた。
そこで、どのようにしたら400回以上跳べるのか考えたり、跳び方や回し方を工夫して練習をしたりして、クラスのみんなで協力し合いがんばった。
最終締め切り日の2月28日、校内で最後の記録を測った。
「これが最後だ!! 今までの努力は絶対に無駄じゃない。今は8の字跳びのことだけに集中して回し続けろ!!」
と、自分に言いきかせた。そこから3分間、死ぬ気で縄を回した。408回という数字をきいたときには、おどろきと感動で涙が出た。
最高だった6年間、最高だった6年生!!
今でも、あのクラスで本当によかったと心から思っている。