月刊「PHP」2020年1月号 裏表紙の言葉
事に当たって、壁にぶち当たるたびに表情を曇らせ、落ち込む人がいる。その一方で、壁が立ちはだかっても動じず、乗り越えようと闘志を燃やす人もいる。考えてみると、自身が何がしかの夢の実現のために行動すれば、一度二度、壁に阻まれることは当然であろう。むしろ、もし何の障害もなく夢が成るのであれば、それは元来、夢に値しないものだったのではないだろうか。
年の始め。自分の可能性を試すのが価値ある人生だとするなら、まず大きな夢を持とう。同時に、その夢を阻む壁が想定されるなら、望むところだと心得よう。
これから遭遇するはずのたくさんの壁。高いものもあれば、分厚いものもあろう。けれども、それらはいずれも、人生に意義をもたらす演出の数々だと考えればよい。
なぜなら、壁を超えるたびに、自分の可能性は劇的に高まるのだから。
壁があるなら、それもまたよし。じっくり見定めて、とにかく超えてみようという気概を大切にしたい。