月刊「PHP」2017年12月号 裏表紙の言葉
たとえ天涯孤独の人でも、一人で生きているわけではない。
衣食住は言うに及ばず、何らかのかたちで他人と関わりつつ、社会の恩恵を受けて暮らしている。
そのことのありがたさを心に刻み、少しでも恩に報いるべく、自分のできることをしていく。
社会の向上発展、周囲の人々の幸せに資するよう努めていく。
そこに生きる意義があり、生きる価値があるといえよう。
社会の発展のため、他人の幸せのためなどというと、自分にそんな力はない、日々の生活に精いっぱいで他を顧みる余裕などないという人もあるかもしれない。
しかし社会とつながっているということは、お互いにその中の意味ある一員だということ。
決して無用な存在ではない。
また、一人ひとりがそうした気持ちをもたなければ、この世は索漠としたものになってしまう。
そしてそれは他人のためだけではない。
誰かの役に立っていると思えれば、それだけで人は生きていけるのである。
仕事や人生に倦んだら、周りの恩恵に目を向けてみたい。感謝の心を常に忘れずにいたい。