学校法人 三友学園 専門学校 岡山情報ビジネス学院
 心の教育推進室 難波芳子様

 岡山駅から地下通路で直結という好立地にある岡山情報ビジネス学院(以下、OIC)様は、教育分野においても地元への社会貢献を目指す日本カバヤ・オハヨーホールディングスグループ様によって1985年に設立された専門学校です。
 早くから「心の教育」を重視し、その一環として月刊誌『PHP』を活用してこられました。その取り組みとOIC様の専門学校教育について、心の教育推進室の担当責任者である難波芳子様にうかがいました。

 

社会人として「生きる力」を養成する

 OICは、「実社会で即戦力となるスペシャリストの育成」「ビジネスマンにふさわしい人格の形成」「社会のニーズに対応したカリキュラムの展開」の3つを教育方針に掲げ、現在、医療福祉事務、保育、ホテル・ブライダル、情報システムなどの14学科を擁する岡山県屈指の総合専門学校です。これまでの32年間で巣立った卒業生は10,000人以上。それぞれが自分の専門分野に進み、社会の最前線で活躍しています。
  専門学校とは、社会に出たときに求められる知識や、専門職に求められる資格を身につけるところであると考えられています。もちろん本校もそれを基本にしていますが、資格や専門知識さえあれば社会人として生きていけるのかといえば、そうではありません。本校では、設立当初から「資格・知識だけに偏らない、バランスのとれた心豊かな人材の育成」を目指し、社会的常識や基本マナーを備え、幅広い視野を持つことを教育の大事な柱にしてきました。
  その結果、就職内定率は毎年ほぼ100%を達成し、地元企業を中心に多くの事業所様から高い評価をいただいています。

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「『PHP』は学生たちの心の成長を促してくれる」と語る心の教育推進室・難波芳子様
 

「心の教育」として学生全員に『PHP』を配付

 OICでは、「社会人対応力」として必要な力を、「マナー力」「面接力」「情緒力」「対話力」「作文力」の5つの要素に分けて育成を図っています。
 まず、キャリア教育としてマナー指導や面接指導を行なっています。表面的なテクニックを教えるのではなく、マナーを通して「相手を思いやり、相手に敬意を表す心」、面接を通して「自信を持って自分を表現する力」を培います。
  また、社会との結びつきを深めるために、清掃・募金などのボランティア活動や地域イベントにも参加しています。誰かのため、社会のために自ら動いてみることで、情緒を育み、責任ある行動を学んでいます。
 そして、「心の教育」として長年活用しているのが『PHP』で、学生全員に毎月配付しています。授業やホームルームで記事について意見を述べ合ったり、朝の読書の時間に読んで感想を書いたりするなど、学科・担任によって、さまざまな使い方をしています。感想文を書くことで、自分の思いを文章という形に表現する力が養われ、お互いに話し合うことで、相手の話を理解しつつ自分の考えを伝える対話力が磨かれます。
 こうした取り組みが評価され、1997年にPHP研究所から日本初の「心の教育モデル校」に指定されました。

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『PHP』の活用は、学生の「作文力」「対話力」を養成することにもつながる

 

人間力を育てることで、学生たちの夢の実現を後押し

  専門学校に来る学生たちは、入学時から自分の将来の職業を具体的に思い描いていますが、実際に授業が始まると、想像以上に学科の勉強がハードで、気持ちがくじかれることも少なくありません。また、最近の学生は「叱られる」ことに慣れていないので、現場実習で実社会の厳しい一面に触れると、挫折感や劣等感にうちひしがれてしまう場合もあります。
 技術や専門知識と違って、「心の成長」は目に見える尺度で測ることができません。見えない「心」をどう育てたらいいのか。その方法の一つとして、『PHP』を活用した取り組みを始めたという歴史があります。
  『PHP』には、悩みや落ち込みの時期をどう過ごしたか、失敗や挫折をどう乗り越えたのか、さまざまな方の経験談が掲載されています。これらを読むことで、誰にでも不安や悩みがあり、間違いやミスをしない人はいないということがわかります。
  ただ、一冊読めばすぐに何かが変わるというものではありません。毎日の小さな積み重ねが大事です。
  不安になる、落ち込む、イライラする、他人のせいにする……まだまだ感情のコントロールができず、負の思いをあからさまに表に出してしまう学生もいます。その瞬間を見逃さず、その都度学生の心と向き合って、「社会に出るとはどういうことか」「職業人としてどのような態度が望ましいのか」ということをきちんと話すよう心がけています。
  もちろん、一度や二度で理解されることは稀です。それでも、在学中の2年間、3年間を通じてねばり強く指導を続けていると、社会に出てから「あの時なぜそう言われたのかわかりました」と、卒業生の声が届くことがあるのです。
  専門学校は、社会への橋渡し役であると考えています。内定を得ることがゴールではありません。就職してから、学生たちの本当の勝負が始まります。5年先、10年先に、本当に求められる人材になること。そのためには、知識やスキル以上に、土台となる人間力が物を言います。それを育成することは、就職先の企業のお役に立つだけでなく、学生本人が本当の意味で自分の夢を叶えることにつながっていくはずです。そのような「心の教育」を通して、学生一人ひとりの夢を後押ししていきたいと願っています。


インタビューにご協力いただいた岡山情報ビジネス学院様、ありがとうございました。

※団体名、お役職は取材当時のものです。

【学校概要】  

学 校 名  学校法人 三友学園 専門学校 岡山情報ビジネス学院

設  立  1985年

分  類  専門学校

代 表 者  理事長 野津基弘様

職 員 数  85名

所 在 地  岡山県岡山市

U R L  http://www.oic-ok.ac.jp

記事作成日:2018年6月6日