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映画「セカイイチオイシイ水」が9月21日(土)より公開
小嶋忠良著『マロンパティの精水 いのちの水の物語』が原作の映画、「セカイイチオイシイ水~マロンパティの涙~」が9月21日(土)に公開されます。
映画化にともない、『マロンパティの精水』の電子書籍が8月21日(水)にリリース予定です。
映画「セカイイチオイシイ水」
世界には安全な水が供給されずに死んでいく子供たちが、
今なお年間100万人以上いる――
フィリピンの首都マニラから300キロ南にあるパナイ島の田舎町パンダン。海水混じりの井戸水しかないパンダンでは、多くの村人が腎臓病などに悩まされていた。友人に誘われ軽い気持ちで、パンダン水道建設工事プロジェクトにボランティアとして参加した女子大生・明日香。だが戦争の禍根から日本人に反発する現地の人々、灼熱の中での作業など、多くの困難が待ち受けていた。そんな中、明日香を優しく迎え入れてくれたのは、5歳の少女アミ―。二人は絵本と折り紙を通して仲良くなっていく。しかし、アミ―も重い腎臓病に蝕まれていた。
出演:辻 美優、赤井 英和 ほか
監督・脚本:目黒 啓太
配給:太泰
9月21日(土)より 渋谷ユーロスペースほか全国順次公開
原作者コメント
映画「セカイイチオイシイ水」に寄せて
原作『マロンパティの精水』著者 小嶋忠良
「これはただ事ではない」と本能的に感じました。この映画が生まれるきっかけとなったパンダン飲料水パイプライン建設事業(略称パンダン・プロジェクト)を知ったときのことです。関係者を訪ねて回り、想像を絶するその苦難の道のりが見えてくるにつれ、誰かがこの話をまとめなければならない、と思うようになりました。おそらく日本のNGO活動史に残るであろう、この話を――。私は取材にのめりこみ、後戻りできなくなっていきました。
飲料水を求めて10キロも離れた山奥の水源地から水道パイプを埋設していく重労働、しかも資金がないなか、寄付金集めとボランティア頼みによる作業。さらに現地には第二次世界大戦での日本人に対する遺恨が色濃く残っており、協力どころか、激しい憎悪の言動が容赦なく突き刺さってきます。JAFS(アジア協会アジア友の会)会員の「なにもこんな所でやることはないんじゃないか......」との思いは理解できます。しかしJAFSは紆余曲折ののち最終決断をします。「だからこそ、この事業は絶対やらねばならない」と。
パンダン・プロジェクトは現地にきれいな飲み水を提供する事業です。もちろんその目的は達成され、地元による自主運営の道筋も確立されました。さらにそれらをはるかに超越する「副産物」が実りました。あれほど激しかった日本人に対する恐怖感、憎悪、忌避感情が、このプロジェクトを通して見事に払拭され、逆に日・比の人たちを強い信頼と絆で結びつけたのです。そこに人間にとって「かけがえのない何か」を見つけることができます。
原作本のご紹介
小嶋忠良著『マロンパティの精水 いのちの水の物語』【電子書籍】
価格:1389円+税
1990~99年の丸9年の歳月を費やして完成したフィリピン・パンダンの水道建設工事は、日本とフィリピン両国のボランティアたちの献身により、戦争の遺恨を乗り越え、双方が深い心の絆で結ばれる物語を生み出して完成した。本書は、国家の壁を超えた人間のあり方を考えさせる最高の教材である。