Voice
発売日
2025年3月6日
税込価格
880円
(本体価格800円)
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Voice 2025年4月号

今月号の読みどころ

タリフマン(関税男)。みずからをそう自認するとおり、ホワイトハウスに戻ってきたトランプ大統領は、2月1日、カナダとメキシコの輸入品には25%(1カ月間停止)、中国に対しては10%の追加関税を課す大統領令に署名しました。その後、同月9日にはアメリカが輸入する鉄鋼やアルミニウムに25%、18日には自動車に対しても25%前後の関税を課す方針を明らかにしています。今後の展開について世界がもっとも注視するのが、アメリカと中国が繰り広げる「貿易戦争」の行方でしょう。半導体をはじめ経済安全保障に関わる領域はとくに予断を許さず、また1月の「ディープシーク・ショック」の余波でAI分野の競争も激化することは間違いありません。去る2月7日には日米首脳会談が行なわれましたが、はたして石破政権は、米中貿易戦争の狭間で生き抜くことはできるのでしょうか。貿易摩擦の根源には先進国内の格差の問題があると指摘するマイケル・ペティス氏へのインタビューや、米中の競争が国際秩序に与える影響などを議論する川島真氏と森聡氏の対談などを通じて、米中貿易戦争の行方を占います。そのほか、今号の巻頭には、自民党経済安全保障推進本部長を務める小林鷹之氏へのインタビュー「日本企業と日米同盟の危機」を掲載。
特集2は「『自己肯定感』はどこへゆく」。揺れ動く日本人の「自己肯定感」の実態と行方を展望します。そのほか、小池百合子・東京都知事への独占インタビュー「東京と日本を守る『東京大改革3.0』」や、織田信長とプーチンを比較する呉座勇一氏と小泉悠氏の特別対談も必読の内容です。
公式サイト

今月号の目次

特集1:米中貿易戦争の最前線
摩擦を生むのは国家間の対立ではない
マイケル・ペティス
38p
米中競争の新局面、強まる貿易圧力
川島 真&森 聡
48p
「囚人のジレンマ」に陥った米中経済
梶谷 懐
62p
関税はディールの手段か、信念か
川瀬剛志
70p
習近平政権の「低空経済」を利用せよ
町田穂高
78p
「微細化封じ」かわす中国の半導体産業
山田周平
86p
ディープシークが告げた「AI新時代」到来
高口康太
94p
対中ビジネスに求められる戦略
柯 隆
101p
特集2:「自己肯定感」はどこへゆく
「ありのまま信仰」への自己啓発本の回答
尾崎俊介
130p
日本の子どもに「正しい肯定」を
遠藤利彦
137p
発達障害グレーゾーンと職場づくり
舟木彩乃
144p
ヒットソングにみる「かわいい」の変化
ヤマモトショウ
152p
巻頭インタビュー
日本企業と日米同盟の危機
小林鷹之
16p
連載 ほか
課題解決型の防衛イノベーションを急げ
布施 哲
108p
【追悼論考】
全身経営学者 野中郁次郎
楠木 建
120p
「復古主義者」としての信長とプーチン
呉座勇一 小泉 悠
160p
人民解放軍の「戦域打撃能力」の実力
村野 将&トーマス・シュガート&ティモシー・A・ウォルトン
198p
【闘う首長】〈2〉
東京と日本を守る「東京大改革3・0」
小池 百合子
182p
考察したい若者たち〈6〉
SNSの報酬は承認から刺激へ
三宅香帆
190p
【宗教と現代世界研究会】
エルドアン政権のイスラム覇権主義の行方
澤江史子
228p
ミャンマーで暗躍する中国系犯罪集団
安田峰俊
212p
米国の暗号資産規制の行方
大崎貞和
220p
ニッポン新潮流〈現代社会〉
「無償化政策」の内実
西田亮介
26p
ニッポン新潮流〈教育企業〉
「学歴」論の危うさを考える
勅使川原 真衣
28p
ニッポン新潮流〈都市文化〉
「朽ちるインフラ問題」の本格化
藤村龍至
30p
ニッポン新潮流〈現代思想〉
SF作品が描く爽やかな「ノスタルジー」
谷川嘉浩
32p
地域から日本を動かす〈36〉
瀬戸内の町の新たな飛躍へ
結城豊弘
34p
歴史家の書棚〈57〉
樋口孝博著『音楽隊に「敬礼っ!!」』舞鶴観光協会編『復刻版 海軍四等主計兵厨業教科書』
奈良岡 聰智
238p
巻頭言〈13〉
「経済だよ。お馬鹿さん」
冨田浩司
13p
文明之虚説〈88〉
文明の暴力性について
渡辺利夫
244p
戦跡が語る「先の大戦」〈3〉
ペリリュー島
写真・文/安島 太佳由
1p
里山―未来へつなげたい日本の風景〈16〉
一年の始まり
写真・文/今森光彦
6p
令和の撫子〈71〉
佐藤マクニッシュ怜子 株式会社AMATERAS CEO兼デザイナー
撮影/吉田和本
9p
Voiceブックス
編集者の読書日記

240p
Voiceシネマ
編集者の映画三昧

241p
Voiceレター
読者の感想&意見

242p

Voice とは

 月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。