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Voice 2024年9月号
今月号の読みどころ
1945年8月15日から、今年で79年目を迎えます。日本は戦後、国際社会のなかで一貫して平和国家として歩み、また一時は世界2位になるほどの経済発展を遂げてきました。わが国は国土が焦土と化したあの夏から強かに起ち上がってきました一方、依然として積み残されている課題が多いのも事実です。安全保障体制は未だに決して十分とは言えず、自民党は憲法改正の問題を棚上げし続けています。隣国とのあいだには歴史認識問題が存在しており、米国とのあいだには日米地位協定の問題が取り除かれていません。これらの問題を放置したまま、次代の国のかたちを考えることはできないはずです。来年の戦後80年を前に考えるべき「宿題」について、多角的に議論します。
特集2は「誰が『氷河期世代』を救うのか」。就職氷河期世代が抱える「問題の本質」とその責任の主体を浮き彫りにします。そのほか、ジャック・アタリ氏が混迷の米国政治を見通す巻頭インタビューや、地方創生について議論する石破 茂議員と中野祐介浜松市長の対談などを掲載しています。
特集2は「誰が『氷河期世代』を救うのか」。就職氷河期世代が抱える「問題の本質」とその責任の主体を浮き彫りにします。そのほか、ジャック・アタリ氏が混迷の米国政治を見通す巻頭インタビューや、地方創生について議論する石破 茂議員と中野祐介浜松市長の対談などを掲載しています。
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今月号の目次
特集1:戦後79年目の宿題
「終戦の日」に私たちが問うべきもの |
佐伯啓思 |
38p |
未だ「四合目」の日本の安全保障 |
兼原信克 |
50p |
憲法改正から逃避する自民党 |
井上達夫 |
58p |
自主敗れて「日米地位協定の闇」深し |
山本章子 |
68p |
歴史認識問題の先に「和解」はあるか |
波多野 澄雄 |
76p |
戦後日本の公共性と自衛隊のジレンマ |
辻田 真佐憲 |
86p |
占領期ラジオ放送と「民主化」の真実 |
太田 奈名子 |
94p |
「不完全だが不可欠」な国連のいま |
長 有紀枝 |
102p |
特集2:誰が「氷河期世代」を救うのか
困難なキャリアの実態と支援策 |
堀 有喜衣 |
130p |
「不景気だから採用しない」は合理的か |
服部泰宏 |
138p |
就職氷河期世代の新たな受難 |
溝上憲文 |
146p |
世代間交流で課題を乗り越える |
福澤涼子 |
154p |
巻頭インタビュー
孤立主義に留まらないトランプ・リスク |
ジャック・アタリ |
16p |
連載 ほか
男女の賃金格差は変えていける |
矢田稚子 |
110p |
「ドーナツ経済」へのシフトは進むのか |
ケイト・レイワース |
120p |
地方創生10年、積み残された課題 |
石破 茂&中野祐介 |
162p |
「切実な他者」としての家族 |
宇佐見 りん |
208p |
「中国嫌い」のための中国史〈11〉 李白と漢詩 |
安田峰俊 |
182p |
日本史は「敗者」に学べ〈8〉 山本五十六〈前編〉 |
呉座勇一 |
190p |
〈宗教と現代世界研究会〉 インド総選挙とヒンドゥー至上主義の行方 |
中溝和弥 |
216p |
動物たちから見た「死の世界」 |
豊田 有 |
200p |
NIMBYと社会的施設のジレンマ |
土屋 雄一郎 |
226p |
著者に聞く 料理の「おいしがり方」を伝える |
三浦哲哉 |
234p |
ニッポン新潮流〈現代社会〉 結局は旧態依然だった都知事選 |
西田亮介 |
26p |
ニッポン新潮流〈教育企業〉 配属ガチャと配属確約? |
勅使川原 真衣 |
28p |
ニッポン新潮流〈都市文化〉 選挙と二つの空間 |
藤村龍至 |
30p |
ニッポン新潮流〈現代思想〉 「君のヴォイスは何だ」という問い |
谷川嘉浩 |
32p |
地域から日本を動かす〈29〉 戦国武将を現代に甦らせる |
結城豊弘 |
34p |
歴史家の書棚〈50〉 尾原宏之『「反・東大」の思想史』 |
奈良岡 聰智 |
238p |
巻頭言〈7〉 「靴入りデザート事件」顛末 |
冨田浩司 |
13p |
文明之虚説〈81〉 「天朝」としての中国共産党 |
渡辺利夫 |
244p |
邂逅する中世と現代〈11〉 悪魔の半面 |
作・文/野口哲哉 |
1p |
里山―未来へつなげたい日本の風景〈9〉 生き物たちのご馳走 |
写真・文/今森光彦 |
6p |
令和の撫子〈64〉 齊藤なぎさ |
撮影/吉田和本 |
9p |
Voiceブックス 編集者の読書日記 |
240p |
|
Voiceシネマ 編集者の映画三昧 |
241p |
|
Voiceレター 読者の感想&意見 |
242p |
Voice とは
月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。