Voice
発売日
2024年11月6日
税込価格
880円
(本体価格800円)
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Voice 2024年12月号

今月号の読みどころ

国際政治を揺るがす出来事には多くの場合、宗教の要素が色濃く存在しています。現在戦火を交えるロシアとウクライナは、正教会世界における位置づけをめぐって長年複雑な関係にありました。ガザ戦争の当事者であるハマスとイスラエルはもちろん、アメリカやイラン、アラブ諸国といった関係国もそれぞれに一筋縄ではいかない宗教的背景を抱えています。そして、分断が顕著な米国社会の本質を理解するうえでは、福音派を中心とする宗教右派に着目しないわけにはいきません。宗教だけが政治や社会を動かす要因ではありませんが、他方で、現代世界における宗教の影響を無視することはできません。本特集では、政治と宗教の相互作用、現代世界における宗教の位置づけや影響力などを多面的に考察します。「宗教再台頭時代」について議論する池内恵氏と松本佐保氏の対談、アメリカにおける福音派やカトリック知識人の影響力を考察する会田弘継氏と藤本龍児氏の対談のほか、経営学者の入山章栄氏のインタビューも掲載しています。
第二特集は「石破政権の強さと弱さ」。10月27日の衆院選で厳しい審判が下された石破政権の実像と課題に迫ります。なかでも石破茂首相は「保守」なのかを問う先崎彰容氏の論考は必読です。巻頭には、アメリカの民主主義の堕落を指摘するスティーブン・レビツキー氏のインタビューを掲載しています。
公式サイト

今月号の目次

特集1:宗教が動かす国際政治
「宗教再台頭時代」をどう乗り切るか
池内 恵 松本佐保
38p
米国を変える福音派とカトリック知識人
会田弘継&藤本龍児
50p
ウクライナ侵攻と正教会の地政学
高橋沙奈美
62p
ガザ戦争とイスラーム主義の今後
保坂修司
70p
中国における宗教と信仰の規範
川口幸大
78p
「大イスラエル主義」という巨大な潮流
立山良司
86p
フランス「ライシテ」から考える政教分離
伊達聖伸
94p
宗教と経営は互いに学び合える
入山章栄
102p
特集2:石破政権の強さと弱さ
宰相・石破茂とは「保守」なのか
先崎彰容
128p
課題はマクロ安定化政策と成長戦略
永濱利廣
136p
第二の鳩山内閣を避けられるか
鈴木一人
144p
地方戦略の難しさに向き合えるか
筒井淳也
152p
巻頭インタビュー
民主主義の落伍者に堕したアメリカ
スティーブン・レビツキー
16p
連載 ほか
緊急提言
国民の求める真の政治改革とは――「小選挙区決選投票制」の実現を
田坂広志
110p
沖縄に襲い掛かる中国の浸透工作
益尾知佐子&安田峰俊
160p
特別対談
経営と文学が交わるとき
上田岳弘&岩尾俊兵
190p
なぜ「二十二歳」に社長を託したのか
西牧大輔
202p
考察したい若者たち〈2〉
「萌え」から「推し」に変わった理由
三宅香帆
182p
現地で見た中国経済暗転の兆し
リチャード・ヤーロー
118p
災間の時代の復興はここから始まる
宮本 匠
210p
客観報道の由来――再「小新聞」化するジャーナリズム2
大澤 聡
218p
「エビデンスに基づくポピュリズム」の時代
杉谷和哉
226p
著者に聞く
精神科医の欲望と葛藤
尾久守侑
234p
ニッポン新潮流〈現代社会〉
見当たらぬ「期待できる政党」
西田亮介
26p
ニッポン新潮流〈教育企業〉
「自己肯定感」の落とし穴
勅使川原 真衣
28p
ニッポン新潮流〈都市文化〉
維新のまちづくりセンスと大阪
藤村龍至
30p
ニッポン新潮流〈現代思想〉
映画「ラストマイル」と企業の「バリュー」
谷川嘉浩
32p
地域から日本を動かす〈32〉
隠岐古典相撲の熱気
結城豊弘
34p
歴史家の書棚〈53〉
小川原正道『西郷従道』西尾林太郎『加藤友三郎』
奈良岡 聰智
238p
巻頭言〈10〉
サッチャー主義とトランプ主義
冨田浩司
13p
文明之虚説〈84〉
マロリーワイス症候群
渡辺利夫
244p
邂逅する中世と現代〈14〉
未知の味覚
作・文/野口哲哉
1p
里山―未来へつなげたい日本の風景〈12〉
まるで妖精の国
写真・文/今森光彦
6p
令和の撫子〈67〉
柏野 紗耶加 
撮影/吉田和本
9p
Voiceブックス
編集者の読書日記

240p
Voiceシネマ
編集者の映画三昧

241p
Voiceレター
読者の感想&意見

242p

Voice とは

 月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。