彼とは、17歳も年が離れており、病院職員と患者という関係です。

　入院してきたときから、彼は私に一目ぼれをしたと言ってきており、私は最初、何も気にしてなかったのですが、だんだんとお話しているうちに気になるようになり、相手の事をもっと知りたいと思うようになりました。

　彼はあと１カ月で退院することになり、「結婚してほしい」「俺と一緒になってほしい」「こんな子に出会ったことはない」などと言うようになってきました。

　私が、「体が弱ってるからそう思うのは今だけかもしれない。もとの生活に戻ったら、何であんなこと言ったのだろうと思うかもしれない」と言うと彼は、「そんなことない、あなたとだったら楽しい生活ができる」と言うんです。

　私も結婚してもいいと思ってるのですが。

　彼の言葉は本当なのでしょうか？

（20・女性・看護助手）

　あなたからのお便りに、彼がどんな病で(あるいは怪我？)入院なさっていたのか、触れていなかったのが少し気になりますが。

　書いてなかったということは、それほど重篤な病状ではないということですよね。

(それにしては入院期間が長いので、骨折等だったのかしら？)　私も２週間ほど入院したことがあるので、患者さんの心理は多少わかるつもりです。

　外界と遮断された世界に封じ込められたこちらは体だけでなく、心も弱っているものですから、あなたが危惧しているように、顔なじみの看護師さんが何気なくかけてくれる言葉に癒されたり、清潔感と健気さが漂うその姿に心打たれたり、安心感を感じたりするものです。

　いずれにしても、プロポーズの返事は退院後まで待ってもらったらいかがですか？

　そして、今のうちに彼の元を訪れるお見舞いの人々をじっくり観察しておくことをお薦めします。

　とくにご家族がどんな方たちなのか、ご両親が健在なら、40歳近い息子とどのように接しているか。

　それから長期入院の間、仕事はどうなっているのかも知っておく必要があるかと思います。

　院内の信頼ができる方に、相談してみてもいいかもしれません。

　もちろん、あなたのご両親への打診も不可欠です。

　なにしろ、「つきあってください」ではなく、いきなり「結婚してください」の申し込みです。

　ましてあなたはまだ20歳。

　これからの人生を共に歩んでゆける人物なのか、慎重に考えなければいけません。

　あなたの結婚の意志が固いとしても。

　退院後、最低でも三回くらいはデートしてみましょう。

　病院の外の彼は、意外と違った印象に映るかもしれません。



　老婆心ながら、二人で逢ったときは、お茶、あるいは食事のみにとどめておくこと。

　それ以上のことを彼が求めてきても、言葉だけではなく、本気であなたを幸せにする気持ちがあるのかどうか見極められるまで、誘いには乗らないようにしてください。

　もしかしたら、彼はあなたの運命の人かもしれない。

　けれど、あなたより17年もたくさん生きてきた彼の心中には、純粋に「結婚」を口にしているだけではなく、なにかべつの意図があるような気がして。

　あなたのことが心配です。

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