無事結婚式が終わった夜に起こったできごとです。

　私が、夫となった彼に、私もうかつだったのですが、何気に「今日の披露宴で私の女友達の中で、誰が綺麗だったと思う？」と聞きました。

　すると彼は、「Ａさんが綺麗だったね。今度もし街ですれ違っても、わかると思う」と言いました。

　確かにＡさんは、綺麗です。私も認めます。それだけならさらっと、聞き流せたと思うのですが、しかし、 聞いてもいない、「今度街ですれ違ってもわかると思う……」の言葉には、彼には悪気がないのかもしれませんが、私の心は、ぐさりと傷つきました。

　しかも、私にはプロポーズの言葉さえかけてもらえなかったり。

　結婚式以前に「私のどこを好きになってくれたの？」との質問にも、「君が僕のことを好きになってくれたこと」と言い、具体的には私のどこと言っては、くれませんでした。

　彼を好きになってくれたなら、誰でもよかったのかな？

　本当に私でよかったのかな？

　私は、結婚を焦ってしまったかな、と結婚したことを正直、後悔してます。

　結婚式その日ばかりは、やっと主人公になれたつもりでいたのに、私の期待のしすぎ、求めすぎはわかってますが、花嫁さんが一番綺麗だったよ。くらいの気持ちが欲しかったのは、求めすぎでしょうか……？

　結婚前に、他の私の女友達に会ったときにも、彼女と別れて、私と彼の二人になったときに、彼女を性格ではなく、見た目、ルックスを異性の目線として、褒めちぎったこともありました。彼には悪気がないのはわかるのですが、誰に対しても、異性をそういう視線で見てるのかと思うとうんざりです。

　この先、彼と続けていく自信を失ってしまいました。

　どうかよきアドバイスよろしくお願いします。

（26・女性・一般事務）

　女性にとって、結婚式、披露宴は人生の中で、最も輝いている日といっても過言ではありません。

　あなたが書いていたように、結婚のセレモニーにおいて花嫁はスポットライトを独り占めする主人公たるべき日。

　ウエディングドレスを身にまとった私に「きれいだよ」の一言くらいかけてほしい。

　なのに、彼は私の女友達の美しさばかりを褒めちぎるなんて……。

　あなたが心に負った傷を想うと、いたたまれない気持ちで一杯です。

　けれど、彼はあなたが選んだ生涯の伴侶なのです。

　たとえば、はっきりとプロポーズの言葉を言ってくれなかったことにしても、もしかしたら彼は恥ずかしがりやさんで、あなたに対する想いをストレートに表現できなかったのかもしれません。

　結婚式当日も、美しい花嫁姿のあなたを見たら、なんとなく照れくさくなってしまって「きれいだよ」の一言を口にできなかったのかもしれません。

　また、哀しいことに、彼に限らず、ルックスの良い女の子に自然と目が行ってしまうのは男の性。

　だからといって、あなたの目の前で女友達の美しさを褒め称えるのは、あまりにデリカシーに欠けていると私も思います。

　今後、もしもまた同じようなことがあったら、胸にためないで「そういうのって、すごく傷つくんだけど」とはっきり彼に伝えましょう。

（軽くむくれてみせるとか、険悪にならない程度の雰囲気で）


追伸

　あなたはお便りの中で『彼には悪気がない』という表現を二回、使っていました。たぶん無意識のうちに書いてしまったのだと思います。

　女性の美しさにばかり視線を向ける彼に辟易しながらも、そんな彼をも理解しようとしている、せつないあなたの女心が見え隠れしている気がしました。

　おつきあいしているときと、結婚した今とではお二人の関係に少し変化が生じてきた頃かもしれませんね。

　今のあなたに必要なのは、失った自信を取り戻すこと。

　毎日、一度は「今日もきれいだよ」「かわいい」と彼に言ってもらうとか。頑張って作ったお料理を褒めてもらうとか、お二人の間で、なにかあなたの存在を認めてもらえるような、ルールをつくるのもいいかもしれません。

　しかし。そんなことよりなにより。

　彼は人生を共に生きる妻として、他の誰でもなく、あなたを選んだのだということを忘れないでください。

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