恋愛相談室
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辛い恋のトラウマ |
はじめまして、井上香織先生。
僕は今まで片思いはあっても、恋愛はしたことがありません。告白したこともありません。 何故かというと、小学校の頃片思いして告白しようかしないか迷っているときに友達にその子が好きだということが知られて皆にバラされたからです。 バレたときの好きだった子の嫌悪感が丸出しの顔、今も忘れません。 それから恋は残酷なものなんだ、僕には叶うはずがないと思うようになりました。 だったらいっそのこと恋をしようとしなければいい、と決めました。 でも、中学校に入ったら様々な女の子がいて当然かわいいと思う人もいます。 そう思った人が好きなわけで、日増しに付き合いたいという思いは強くなります。 しかし、告白しようと思うと不安が僕に付きまといます。 小学校のときのように僕がその子を好きなことがその子を不快にさせてしまわないかとか。 こんな風に考えている内にまた誰かに知られていないか、などが不安です。 最近では、嫌いになってしまえばそんな思いもしなくて済むんじゃないかなどという馬鹿な考えも僕の心から出てきました。 でも僕はカッコよくないし、運動はてんで駄目、おまけに変人と呼ばれたっておかしくない性格をしているのでその馬鹿な考えもその子を想った考えじゃないか、と思えてきます。 その子はかわいいので、美女と野獣というコピーがぴったり合います。 野獣といっても僕は牙の抜けた野獣ですけどね。 書けば書いていくほど悲しいことに負のイメージが膨らんできます。 かなりの長文になり、読みにくいこととは思いますが どうか僕にアドバイスをお願いします。 (15・男性・公立中学生) |
回 答 |
自分が心の中で大切にしていた想いを他人によって公言されてしまうのは、本当に哀しいことです。また、恥ずかしかったり、悔しかったりもします。
ことに、あなたくらいの年代では、「あの子があの子を好きみたい」という噂はおもしろおかしく流布される風潮があります。そして、それが意中の相手の耳に入ってしまうというケースは少なくありません。 あなたのお便りを読みながら、私もかつて小学校六年生のとき、同じような出来事があったことを思い出しました。 「A君が○○ちゃんのこと、好きなんだって」 昼休みの教室。含み笑いを浮かべながら、女の子の友達が私に向かってそう言いました。 ○○ちゃんとは、私のことです。 A君なる同じクラスのその男の子とは生徒会で一緒だったこともあり、ごく普通に話をしたりする“友達”の一人だと思っていました。残念ながら彼を異性として特別に意識したことは一度もありませんでした。 また、当時、他のクラスの男子のことが気になっていた私は、周囲のクラスメイトたちに、あれこれ詮索されたり、はやしたてられるのが嫌で、「A君のことなんて、なんとも思っていない」的な冷たい態度をとってしまったような気がします。 もしかしたら、そのときの私は、あなたが書いていた彼女のように“嫌悪感”を顔に浮かべていたのかもしれません。 そして、それによって、彼を傷つけてしまっていたのかもしれません。 遠い昔の出来事を今更、反省しても仕方ないのですが。 思春期の女の子には、それなりの事情や心の動きがあるものです。ましてや、自分のことだけで精一杯な年頃。周囲に細やかな心配りをする余裕もなかったりします。 彼女の顔に浮かんだ表情が“嫌悪感”だったのかどうかは、その彼女に訊いてみなければわからないことではありますが。 あなたの胸にはまだしこりが残っているようですが、その痛みは、過去の出来事として、忘れてあげてみてはいかがでしょうか? 今現在、あなたが気になっている女の子のことに関しては……。 あなたが“美女と野獣”と書いていたところを見ると、かなりチャーミングな女の子なのでしょう。 ライバルはかなり多いかと思います。 牙のない“野獣” あなたは自分のことをかなり卑下して書いていらっしゃいましたが。 今、まっさきに、あなたがしなければならないのは、自分に自信を持つことではないかしら? そして、いずれちいさな牙が生えてくるのを待ちましょう。 (牙とは、決して人を傷つけるためのものではありません。自分に対する自信。そして、人を思いやる気持ちを持ったオトナの証という意味です) 以前と同じ轍を踏まないためには、彼女への想いはもうしばらく胸に秘めているほうがいいのかもしれません。 もしも、自分の内にだけとどめておくことが苦しくなったら、口の固い男友達を選んで相談してみたらいかがかしら? 誰かに恋心を抱くということは、辛いことも多いけれど、とても素晴らしいことでもあります。 その感情は、あなたを大きく成長させてくれることになると思います。 あなたが素敵な青年になってくれることを祈っています。 |
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