結婚を控え、果たして彼女で本当に正しいのか悩んでいます。

　彼女は結婚紹介所で知り合い、半年付き合い、好きになれたのでプロポーズしました。

　私の両親は教師の堅い家庭です。

　彼女の家庭はとても小さな印刷業をしているので、両親は、「家柄が合わない。本当に親族になるのか？」と反対しています。

　自分は、結婚相手がこんな小さな印刷業の家だという事を、結婚式場を予約してから、彼女からなげやりに知らされました。

　彼女自身は人間的にやさしい所や自分に合わせてくれる所、など、デートしていても嫌だと思う事はそれまでありませんでした。功利的な感じもなく信頼できました。

　しかし、母はとても心配していて、サラリーマンの家庭ではないのか？と暗に言います。ストレートには言いませんが。隠れてとても悩んでいるようです。

　私は悩みに悩んでこの３ヶ月他の事にろくに手がつきません。一日中考えてもわかりません。

　強烈な恋愛結婚であればこんな問題は起きなかったと思います。

　自分としては単純に信頼でき安心でき、愛していける女性という基準で結婚しようと思っていました。

　ただ結婚が遅くなっていたので、身を固めて母を喜ばせようとも思っていました。

　結果、悩ませる事になった事に、もの凄く悩んでいます。

　こういう事はよくある事で、縁があり、性格がいいと思えばすなおに結婚するのが正しいのでしょうか？ 　いや。 　やはり親の言うように結婚と好き嫌いは別。

　家柄が違えば長い目で見れば様々な問題が生まれ、お互い不幸になるというのが正しいのでしょうか。

（３６歳・男性・会社員）

　いざ、結婚を前にすると、男性にも「果たして、このまま結婚していいのだろうか!?」とマリッジ・プルーに陥ることは少なくないようです。

　ただ、あなたの場合は、少々、意味合いが違うかもしれませんね。

　あなたのご両親は教師とのことですが、もしかして、私学を経営なさっているとか、ものすごくリッチなおじいさまがいる、あるいは先祖代々続く名家だったりするのかしら。

　以前にも書きましたが、私の父は、公立中学の教員でした。学年主任、教頭と階段を上がり、定年の時には、校長をしていました。

　と、いっても、私は単なる公務員の娘にすぎません。あなたのお便りを読んで、もしも私が小さな印刷所の跡取り息子と恋に落ち、「どうしても、この人と結婚する」と父に宣言したら……と想像してみました。

　おそらく、父は、「おまえが幸せになれるなら」と言ってくれるのではないかと思います。

　親は、子供の先々のことを考え、あれこれと気をもむものですが、最終的には、子供が夢や希望に向かって突き進んでゆく足を止めたりはしないものです。

　女の立場から言わせていただけるなら。

　たとえ、彼の両親に反対されて結婚したとしても、事あるごとに彼が守ってくれるのであれば、女は救われます。

　自分の親と妻の間に入った夫は、板ばさみで辛い思いをすることもあるかと思いますが、そうすることで、たとえささやかでも幸せな結婚生活が営めるのであれば、頑張るしかありません。

　しかし、あなたの場合はどうでしょうか……

　一度、自分でお書きになった「相談」の文章を読み直してみてください。


　書かれているのは、ほとんどお母様に対する気づかいだけです。

　かんじんのお相手の女性のことについては「功利的ではなかった」とか、客観的かつ、怜悧なことしか書かれていません。

　しかし、式場を予約する段にいたるまで、彼女の実家の職業について知らされなかったというのは、どういうことなのでしょうか。

　ふたりの間で、かわされた会話が少なかったかもしれませんし、彼女が言い出しにくい状況もあったのかもしれません。

　本気で彼女と結婚する意志があるのでしたら、ひとりで悩まずに、彼女ととことん、話してみましょう。

　このまま、結婚して、ふたりが幸せになれるのか、お母様と彼女がはたして、うまくいくのか……もう一度、ふたりで話し合った方がいいかと思います。

“結婚”とは、もともと他人の男女が、互いに愛し、慈しみ、支えあう。そんなふたりが幸せに生きてゆくためのものではないでしょうか。


追伸。

　最近、なぜか、結婚がらみの相談が多いようです。

　ま、恋愛も突き詰めると「結婚」に至るのですが……。

　コートを着込んでもまだ寒い時期ではありますが、バレンタイン、そして、ホワイトデー、卒業……と“想い人”に「告白」するチャンスも多い季節を迎えつつある今、恥ずかしがらず、自分の迷いや、悩みを一度、言葉にして送ってみてください。

　そんなあなたのお便り、お待ちしています。

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