大学卒業後私立医科大学の事務員に就職したのですが、部署内の人間関係でパワハラを受けていました。すっかりウツ病になり、精神科医に診断書も出してもらい休職もしたのですが、復職後はさらに部署内で、ウツから来る仕事量の低下なのに「仕事が出来ないダメな奴」、ウツの診断を「危険な精神病患者」と追い立てられて、精神的に破綻してしまいやむなく辞職しました。

　また、その事が発端で離婚にまで至り、ウツに陥っていた私への家族＆職場から援助されるところか離婚・辞職によりサポートを完全に失った現況です。

　理解の無い上司や同僚の下を去る事は、その時の状況を考えれば仕方なかったと思えなくもありません。でもその事で、収入や安定した地位、そして最愛の家族、の全てを失い、今の小企業のしがない契約社員というちっぽけな存在の自分がとても惨めに思え、前の職場・前妻に対する恨み妬みの気持ちで心中がコリ固まっています。

　「最愛の妻との関係や、仕事上の成功などを自分にとってかけがいのないものと見なし、それに依存している。そのため、大切な人との関係悪化などが精神的に大きなダメージとなり、絶望感や無力感を深めていく」こんな精神状態にあるのですが、立ち直る事はできるでしょうか？

（35歳・男性・契約社員）

　ひじょうにつらいことがあったにもかかわらず、あなたは自分の精神状態を冷静に見つめていますね。まずは、そのように自分自身を見つめ直すことが「立ち直る」第一歩ではあると思います。細かい事情まではなかなかわかりませんが、恨みやねたみの気持ちを持つことも当然のことではあるでしょう。

　　でも、そうなる前は、いろいろなことが順調すぎたということはありませんか？　「安定した地位」とか「最愛の家族」とかありますが、今にしてみればそれはちょっと幻想の部分が大きかったのかもしれません。いつまでもその幻想にしがみついていると、今の気持ちもなかなか切り替わらないかもしれません。

　　ここは自分自身の価値観をちょっと変えていくために必要な時期のような気がします。自分に合った仕事や職場とはどんなところか？　自分にとって大事な対人関係のポイントとは何か？　女性に何を求めるのか？　今回の一連の「不運」を通じて、このようなことはあなたの中で大きく変わりつつあるでしょう。

　　普通、人は安楽に暮らしていると、自分の本質、自分らしさというものについて深く考えることはありません。しかし、今のあなたは、これまでに人生のいつのときよりも自分について考えていると思います。ひょっとしたら誰よりも。あなたは、自分を「ちっぽけな存在」と言いますが、「ちっぽけ」だっていいんですよ。自分にとって大事なことは何だろう？　ということがわかりかけているんですから。

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